飲食

バター

mogu-mogu

1. バターの基本定義

主に牛乳またはクリーム中の乳脂肪を攪拌(churning)して得られる乳製品であり、
現在日本ではは以下の基準で定義されています。

  • 乳等省令(厚生労働省)
    • 乳脂肪分 80.0%以上
    • 水分 17%以下
    • 原則として乳由来成分のみ

※マーガリンやファットスプレッドとは、法的にも明確に別物です。

2. バターの起源と歴史

最古の記録

バターの起源は非常に古く、紀元前2000年頃のメソポタミア文明にまで遡ります。

  • 乳を皮袋に入れて運搬する過程で自然に攪拌され乳脂肪が分離
  • 石板や壁画に乳加工の描写が残る

などなど、考古学的資料として確認されているものがあります。

古代〜中世ヨーロッパ

古代ローマでは

  • バターは食用よりも軟膏・薬用・化粧用途が中心
  • 食用油脂としてはオリーブオイルが主流

だった一方で、
北ヨーロッパ(ゲルマン・ケルト文化圏)では

  • オリーブが育たないため、バターが主要な油脂

でした。
この「気候差」が後のヨーロッパ料理の脂質文化を決定づけたといえます。

3. キリスト教とバター文化

中世ヨーロッパでは、四旬節(Lent)中は動物性脂肪の摂取が原則禁止されていました。
しかし、北欧・フランス北部などではバターなしの食生活が困難だったため、
「バター税(Butter tax)」などの免罪金を支払ってバター使用を許可するという制度が生まれました。
中でも有名なのが、Rouen大聖堂の「Tour de Beurre(バターの塔)」でバター使用許可の献金で建設されました。
このことから、バターは宗教・経済・食文化が交差する存在だったといえます。

4. 近代バター製造の確立

19世紀後半、「遠心分離機の発明」と「低温殺菌技術の確立」により、
安定した品質のButterが大量生産可能になり、
これが「フランス料理」「北欧料理」「製菓文化」の発展を強く後押ししました。

5. バターの成分構成

主成分

  • 乳脂肪:約80%以上
  • 水分:約15%前後
  • 乳固形分:1〜2%

含まれる脂肪酸の特徴

  • 飽和脂肪酸が多い
  • 一部に
    • オレイン酸
    • 酪酸(butyric acid)

ちなみに、
「酪酸(butyric acid)」の名称自体がButterの由来です。

6. バターに含まれるビタミン

主に脂溶性ビタミンである

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK(微量)

です。
※含有量に関しては、
飼料や季節、製法(発酵バターなど)によって変動します。

7. 無塩バターと有塩バターの違い

  • Unsalted butter
    • 製菓・製パン向き
    • 風味調整がしやすい
  • Salted butter
    • 保存性向上
    • 食卓用として普及

以上より、
塩の有無は味と用途の違いであり、栄養価の本質は変わらないです。

8. バターの食文化的意義

Butterは単なる脂質ではなく、地域の気候や宗教、技術、食習慣などのの積み重ねで成立した食品で、特にフランス北部やイギリス、北欧、ドイツなどでは、料理の基盤そのものと言えます。

まとめ

バターは乳脂肪を主成分とする伝統的な乳製品であり、古代文明から現代に至るまで人類の食文化を支えてきており、その発展は気候や宗教、技術革新と深く結びつき単なる油脂以上の文化的意味を持つのです。


メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


記事URLをコピーしました